「AIDMA」から「AISAS」へ

AIDMAの法則というのは消費者行動についての古典的なモデルである。
顧客の購買行動は、一般にAttention(注意)、 Interest(関心)、 Desire(欲求)、 Memory(記憶)、 Action(行動)のプロセスを辿ると主張するものだ。
消費需要の喚起のためには、それぞれの過程に働きかけるメッセージが有効と認識されてきた。
最近、この法則をさらに発展させて、「AISASの法則」を唱える人が出てきた。
Attention(注意)、 Interest(関心)までは変わらないが、最近の消費者行動を観察すると、関心を持った人は、ネットでSearch(検索)し、Action(行動)のあとは、感想や評価をネットに書き込みShare(情報共有)するというのだ。
確かに、消費者の購買プロセスに与えるネットの影響は、かつてと比較にならないほど大きくなっている。
例えば、パソコンの銘柄選択にあたり、価格コム(http://kakaku.com)で価格を確認し、ユーザーの評価書き込みを参考にする人は多い。
商品情報だけでなく、学生は就職活動に当たり、ネットから企業情報や採用関連情報を入手している。
企業や商品のレピュテーション構築にあたり、インターネットの中に溢れる、虚実定まらない情報は、もはや無視できない影響力を得るに至っている。