広報部門を立ち上げる4つのポイント

企業はさまざまなレベルでコミュニケーションを展開しています。
広告・宣伝、メディアリレーションズ、社内広報、IR、CSR活動、地元対策、インターネット、イントラネット、そして危機管理活動。
いやはや、目的も対象もメディアも多様化の一途を辿り、広報の領域も多岐にわたっています。
新しく広報部門を立ち上げるとしたら、どの領域をカバーし、どのような機能を持てばいいのでしょうか。
留意すべきポイントを4点挙げたいと思います。
まず、広報組織設計に先立ち、広報機能設計を行うべしということです。
前述のように、広報の目的は自ら情報を発信し社外のステークホルダーの認識を変えるとともに、外部の情報を受信し外部の論理を社内に取り込み、経営戦略に指針を与えることです。
自分の会社がどのステークホルダーと深く関わるべきか、IRやCSR活動の展開をどう考えるのか、トップはどのように関与するのか。まず基本方針を定めましょう。
次に、チーフ・コミュニケーション・オフィサー(CCO)を決めてください。自民党の場合は世耕議員がこれにあたります。
広報の仕事というと、マスコミとの対応と思われがちですが、企業の広報部長の仕事の7割は社内折衝だといわれます。
マスコミ取材を受けるだけの受動的広報にとどまらず、戦略的広報を展開しようと思えば日常から社内コンセンサスを作っていく必要がありますし、緊急時には独断でディシジョンする必要もありますから、トップと隔意なく話ができることはもちろん、社内からの信頼も篤い人材でなければなりません。
3番目のポイントは、広報を担当する専任セクションと、社内横断的な広報プロジェクトチームの二重構造で考えるということです。
広報は広報担当セクションだけでなしうるものではありません。「全員広報パーソン」というスローガンをよく耳にしますが、社内各所から情報を集めるためには広報を理解した人がそれぞれの部署にいる必要がありますし、現場の方が取材対象になることもあるでしょう。このプロジェクトチームは緊急時対応のスタッフにもなります。このプロジェクトチームをまとめ、CCOのスタッフとして機能するのが広報専任セクションです。
最後のポイントは外部のPRコンサルタントの起用が必須であるということです。
広報ツールの作成、モニタリング、マスコミへのプロモートなどに専門的ノウハウを活用する目的だけでなく、外部の論理に立脚して率直にアドバイスしてもらうことがコミュニケーション・オリエンテッド・マネジメントの推進には欠かせない要素であるからです。特にその存在は緊急時には頼りになるはずです。