テイクオフした中国のローカルエージェンシー

6月22日から北京で開かれた「中国国際PR(公共関係)大会」に参加する機会を得た。これは、中国国際公共関係協会(CIPRA)が2年に一度開催する中国最大のPRコンベンションであり、今回は第6回に当たる。
「突破と創造」をテーマとしたこの大会は、海外10数カ国を含め、350名を超える参加を得て開催された。
日本広報学会はグローバルな視点で広報・PRを見直そうとの意図から、昨年、愛・地球博で国際シンポジウムを開催したが、その後援と参加への答礼を果たすため、北京の大会に参加しつつ、PR業界の状況を見た。
中国PR市場は、このところ目覚しい発展を遂げている。CIPRAの調査レポートによると、2000年に15億人民元に過ぎなかった業界規模は、04年に45億元、05年は前年比33%増の60億元(≒865億円)に達した。06年も30%以上の成長が見込まれている。
5年で4倍の成長を遂げたということであり、日本の業界規模5〜600億円をすでに上回っている。
今回のコンベンションで感じられた熱気はこのような目覚しい成長の反映でもあった。
この成長の担い手は誰だろう。
中国の近代的PRは、84年のヒル&ノウルトンの進出に始まる。20世紀の間はバーソン・マステラや日系のプラップなど外資系がPRビジネスをリードしてきた。
しかし、21世紀の声を聞くにおよび、ローカルエージェンシーが着実に実績を積み市場拡大に貢献しはじめた。
今回の訪中にあたり、いくつかのローカルエージェンシーを訪問し、また、CIPRAの骨折りで複数社の経営者と意見交換する機会を持てたが、大手エージェンシーのいくつかは10年を超えるキャリアを持ち、日本円に換算し20億円規模の売り上げの企業が出始めている。単一企業でも日本の大手エージェンシーに迫り始めたということである。
中国のローカルエージェンシーが本格的にテイクオフしたと言っていいだろう。