増加の要因

ブログブームの背景として、プロバイダ各社のサービスの増加とともに、技術革新による、以下のような機能の充実が指摘できる。
1.作成の容易さ
これまで、個人ホームページはページの作成とサーバへの送信に手間がかかった。ブログはWEB上の作成画面からメールを書く感覚で文章を入力するだけで更新が完了する。レイアウトもあらかじめ用意された見本から任意に選択できる。
これにより、インターネットの専門知識がなくとも開設でき、運営者はメンテナンスのわずらわしさが軽減された。もちろん匿名での開設も可能である。
2.コメントとトラックバック
ブログでは、記事ごとに読者がコメントを記載することができる。
また、トラックバックといって、別のブログで関連するテーマを書いた人がリンクのための信号を送ると、自動的にその記事の関連情報として表示される。
これまでのホームページでは、運営者がHTMLでリンクを指示したが、ブログには、運営者に関わりなくコメントやトラックバックが増えていく機能が備わっている。
そのテーマに興味のある閲読者は、トラックバックを辿ることにより、いくつかのブログを効率的にまわり多様な意見に触れることが出来る。
コメントとトラックバックは、ネットワークを広げる仕掛けである。何回かのトラックバックを重ねる内に、未知の相手であってもオンラインでの関係性が発生し、やがてゆるやかなコミュニティを生成させる。
3.更新情報の発信
ホームページはサイトを見に行かないと新規情報をチェックできない。ブログには更新情報を自動的に発信するRSS(RDF Site Summary) と呼ばれる機能が備わっている。メールと同様プッシュ型コンテンツといえる。
RSSは、ネット空間の中に存在するRSSポータルで紹介され、あらたな読者を呼び込む。また、「RSSリーダー」と呼ばれるソフトを使えば、あらかじめ登録したブログの更新情報をチェックしてくれるので、読み逃すことがない。asahi.com日経BP夕刊フジなどのマスコミサイトはブログではないが、RSS配信機能をとりいれていることから、RSSリーダーでブログ情報のみならず最新ニュースや解説記事もチェックすることができる。
アップルコンピュータはウェブブラウザーにRSSリーダーを搭載すると発表しており、マイクロソフトもウィンドウズやアウトルックに機能を搭載することが確実視されている。RSSは今後インターネットの標準機能になっていくだろう。
4.検索機能との親和性
企業ホームページの制作では、「SEOサーチエンジンオプティマイズ=検索エンジンエンジン最適化プログラム)」」ということばが最近のキーワードとなっている。自社のページを検索結果で上位に表示させるための一連のテクニックをさす。
GOOGLEなどの検索エンジンは、リンク数、更新頻度などいくつかのパラメータからページの重要度を判断し、その順番で検索結果を表示するが、ブログは更新頻度も高く、トラックバックなどリンク機能が備わり、RSSポータルなどの掲載数も多いことから、一般に検索結果の上位に表示されることが多い。
また、ブログはHTMLではなく、XML と呼ばれるデータ処理に適した言語で書かれていることから、検索になじみやすい性格を有している。