変貌する中国のメディア

メディアもこの5〜10年で大激変しています。20年前は150紙に過ぎなかった日刊紙が今では2000紙を超え、雑誌もどんどん増えています。テレビはすでに3500チャンネル、CATVも大変普及しています。四川省重慶では2003年にCATVがサービスを開始した途端、99.1%の家庭に普及するなど、テレビは極めて一般的なメディアになってきています。(ACニールセン03年基礎レポート)
そのため消費行動へのメディアの影響を調べて見ると、テレビを参考にするという消費者は56.1%と非常に高い影響力を持っています。特にテレビのみに依存している国民は3割といわれています。インターネットも最近非常に伸びてますます盛んになってきます。同じ調査で見ると、ネットの影響力は18.1%とテレビの1/3に過ぎませんが、新聞の12.3%をしのぎ、第2位のメディアに成長しています。特に、前に申し上げた新中間層へのインターネットの影響力は無視できません。(中国インターネット協会04年1月)
ネットマーケティングはもしかするとアメリカよりも進んでいるかもしれないという事で、アメリカはずいぶん中国におけるネットマーケティングを参考にしているようです。
インターネット人口は1億人で、普及率にすると10%未満ですが、1億人という数字そのものはアメリカに次ぐ世界第2のインターネット大国です。日本には「2ちゃんねる」のようなサイトもありますが、中国は政府のコントロールが非常に厳しく、江沢民の子息である江綿康の指揮の元「金盾工程」と呼ばれる障壁を設けて海外と繋がりにくくしていると言われています。現代版のサイバー万里の長城です。
【新浪網(SINA)】はアクセス数世界第6位です。この他にも【YAHOO!】【捜狐(Sohu)】などいくつかのポータルサイトが成長してきて、新中間層の人たちが参考にしています。先日の反日デモの時は、上海の話では携帯メールに政府からの「明日のデモに参加するな」というメールが個人の携帯に入ってきたそうです。政府はインターネットをコントロールしようとしていますが、それが政府への反発にもつながるという大変微妙なところがあり、随分悩んでいるようです。