中国での広告・PR活動

ここ15年ほど、中国の広告費は目覚しい伸びを示しています。1991年の広告費を100とすると2002年のそれは2573。なんと25倍以上にふくれあがったことになります。同じ期間のGDPの伸びは5倍強に過ぎません。広告費の構成比を見るとテレビ・新聞を筆頭にしたマス広告が46%、屋外広告が17%、残りの37%がPR及びSPです。
PRに絞って考えると、中国国際公共広告協会のデータでは04年の業界規模は前年比136%で45億元(約600億円)とされています。
日本のPR業界の規模についてのしっかりした数字は存在していませんが、450〜500億円というのが妥当なところでしょう。すなわち、中国のPR業は既にして日本の規模を上回ったということです。
2000年以降欧米の外資系エージェンシーがあいついで中国進出を果たし、一方、現地系のエージェンシーも着実に力を付け始め、日本や欧米に支社を設けるエージェンシーも登場しました。しかるに、日系のエージェンシーの本格進出は僅かにプラップのみという状況で、奇妙な空白が生まれています。日系進出企業が日系のエージェンシーのサービスを受けられず、不祥事の発生するたびに立ちすくんでしまうというのが、残念ながら現状です。
加えて、クライアントの側もPRへの理解が乏しく、意思決定はすべて東京に握られているがゆえきめ細かで迅速な対応がなしえず、予算も無いことから、まっとうな日本企業のPR活動がなされていないという状況にあります。
ただでさえ、政治的対話が滞り、国民の中に反日の空気が瀰漫する状況の中で危うい状態だといわざるを得ません。そのため、「中国青年報」にはこんな論評も登場します。
「中国人の日本人に対する感情は、大変複雑かつ懐疑的である。したがって欧米企業と比べ日本企業は中国においてなおさらPR活動をする必要がある。しかし残念なことに、日本企業は中国におけるPRの認識が欠如している。」(01年12月20日)