社内コミュニケーションの戦略化を

もとより、企業文化の形成は社内報だけで成しうるものではない。
大阪・梅田駅前のリッツカールトンホテルはいまやサービス水準で日本を代表するブランドとして注目を集めているが、マニュアルによってではなく、「ゴールデンスタンダード」と呼ばれる哲学の徹底により水準を維持している。
その秘訣は、集中的な研修と、「ラインナップ」と呼ばれるスタッフミーティングと、良いサービスを行ったスタッフを褒め称える全世界配布の「コミットメント・トゥー・クオリティ」という社内報とのミックスだという。
企業文化は、組織や評価制度、業務システム、さらにはトップのキャラクターや商品そのものなど、さまざまな要素の所産だけに、経営そのものと深くかかわってくるが、そのベースをつくるのはやはり、社内コミュニケーションである。
西武百貨店の堀内幸夫前社長は社員とのコミュニケーションのため、給与明細に社長からのメッセージを毎月刷り込んでいた。
このように、従来からのスタイルに固執することなく、社内報を中核に、さまざまなコミュニケーション手法を戦略的に組み合わせ活用することが重要である。