広報史研究プロジェクト

そのせいか、日本における戦後広報・PRの歴史研究は、電通電通パブリックリレーションズをはじめとした個別企業の社史研究の中で試みがなされているものの、広報・PR界全体を視野に納めたものは、共同研究によらない個人の分担執筆である『企業の発展と広報戦略−50年の歩みと展望』(猪狩誠也 編、日経BP企画 1998)くらいしか見当たらない。
また、広報関連文献は、経済広報センターに多く収蔵されていたが、02年の経団連と日経連の統合の折にライブラリーが閉鎖され、散逸のやむなきに至っている。
また、残念なことは、初期の歴史を知る当事者が、ここへきて相次いで鬼籍に入っていることだ。
基礎資料を収集し、歴史研究に着手することは焦眉の急といえるだろう。
こうした認識から、昨年、日本広報学会では猪狩誠也氏を主査として「広報の歴史研究会」を発足させ、これまで1年にわたり研究を重ねてきた。