ブランド体験がブランドを創る

言い方を換えれば、顧客の頭の中にある「ブランド認識」を企業サイドからの遠隔操作でマネージするということですから、容易ではありません。
ブランドについての議論は、日本では2000年の声を聞いてから、アメリカではそれより早く90年代初頭からさまざまに行われてきました。その中から、ブランド構築の方法についていくつかの知見が得られています。
そのひとつ『ブランド体験』についてご説明しましょう。
顧客はさまざまな接点(コンタクトポイント)を介してブランドと接しています。ここでのブランドの体験が強固なブランド認識を作るという考え方です。
わかりやすい例としてディズニーリゾートを考えて見ましょう。
皆さんはディズニーと聞いて何を思い出しますか。ディズニーランドでのデート、パレード、ディズニーグッズ、スプラッシュマウンテン、アニメ、園内清掃のスタッフ、ミッキーとの記念撮影。いろいろですね。これらの思い出の一つ一つがディズニーブランドを形作る要素になっているのではありませんか。
テーマパークに体験が重要なのはあたりまえだとお考えかもしれません。しかし、携帯電話も、取引銀行も、レストランも、目薬も、それぞれにまつわる思い出や経験がそれぞれのブランド認識を生み出しているのです。