ブランディングと企業文化

社内コミュニケーションの中核的機能は2つ。経営戦略の周知を図り業績向上につなげるパフォーマンス機能と、望ましい企業コミュニティを形成維持するメンテナンス機能とである。そのために、社内報や業務通達、各種の会議や行事、そしてメールやイントラネット、社内ビデオなどさまざまなメディアがある。
ブランド構築を考えたとき、この2つの機能のそれぞれが描く円の重なり合ったところに、『ブランドを築き上げるための企業文化の形成』という戦略的な機能が存在すると考えられる。
カルロス・ゴーンは、日産の再建にあたり、日産ブランドを目標として掲げつつ、トップ自らのコミットメントと組織横断的プロジェクトチームでこれまでの仕事の仕方を創造的に破壊したことにより再生に導いた。そこには新たな企業文化が生まれたのである。
このように、ブランド構築にあたっては、社内コミュニケーションを梃子とした企業文化の形成が不可欠なのだ。